トップページ > ネコヤナギ・エコ工法の概要

ネコヤナギ・エコ工法の概要

まえがき
地形が急峻である我が国の河川では、河岸の防災と共に周辺住民の生命・財産を守
るために、自然地形に手を加える構造物に依らざるを得ない場所が多く、コンクリー
トによる護岸整備が行われて来ました。しかし、これらの護岸は、生物にとって極め
て重要な機能をもつ水辺環境が失われること、単調な河岸景観となること、水辺に集
う人々の安全性等の問題があり、その機能回復と保全を図るための技術開発が必要と
されていました。
「ネコヤナギによる既設のコンクリート護岸における水辺の環境改善工法」(略称ネ
コヤナギ・エコ工法)は、この要請に応えるべく開発を行ったものであり、既設のコ
ンクリート護岸に植栽を施す技術としてはオンリーワンと言える工法です。
その開発理念と改善効果の関連は図―1の通りであり、以下順を追って説明します。

 

基本理念

既設の護岸に植栽を施すことに対しては、河川技術者から「護岸の安全性は大丈 夫?」との声が返って来ますが、開発に際しては『護岸の保有機能を損なわない構造』 を最重要の基本理念としており、以下のような検討と確認を行っています。

 

(1)樹種の選定
河岸には多くの種類のヤナギが自生していますが、それらの中から以下の理由で 「ネコヤナギ」(Salix gracilistyla)を採用しています。
①低木(樹高 3m 程度)であること(幹は多枝性で太くならず、主根がなくヒゲ根 状で、護岸構造に悪影響を及ぼさない。タチヤナギ等の高木となる樹種は利用し ない)。

<技術指導>松本技術コンサルタント株式会社 TEL:0979-23-3636(担当/秋本)
<施工協力>内山緑地建設株式会社 TEL:0943-72-2138(担当/吉岡)